こんにちは、クロシバです。
最近はリモートワークやオンライン学習、オンラインゲームが普及し、家庭内でのインターネット利用がますます重要になっています。しかし、「Wi-Fiが遅い」「オンライン会議中に切れてしまった」「動画がカクカクする」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。特に、家族が同時に複数のデバイスを使う場面では、通信速度や安定性が大きな課題となります。そこで、最新の技術である「Wi-Fi 7」が注目を集めています。この記事では、Wi-Fi 7とは何か、Wi-Fi 6との違い、そしてその導入による具体的なメリットについて、わかりやすく解説します。
Wi-Fi 7?最近聞くようになったけど、どうすごいの?
Wi-Fi 6との違いをしっかり理解しよう!
Wi-Fiの進化
まず、Wi-Fiとは無線LANを利用したインターネット接続のことを指します。家庭内やオフィスなどで使われるこの技術は、年々進化を遂げてきました。Wi-Fiの規格は「802.11」から始まり、さまざまなバージョンが登場しています。これまでの主な規格は以下の通りです。
- Wi-Fi 4(802.11n):2009年に登場。最大速度は600Mbps程度で、複数のデバイスに接続することができました。
- Wi-Fi 5(802.11ac):2014年に登場。速度は最大3.5Gbpsに向上し、高画質の動画ストリーミングなどに適していました。
- Wi-Fi 6(802.11ax):2019年に登場。最大速度は9.6Gbpsまで達し、より多くのデバイスが同時に接続できるようになりました。
そして、2023年に登場したのが「Wi-Fi 7(802.11be)」です。これにより、さらなる速度と安定性の向上が期待されています。
Wi-Fi 7の特徴
Wi-Fi 7の最大の特徴は、通信速度の大幅な向上と接続の安定性です。以下にWi-Fi 7の主なポイントを挙げます。
Wi-Fi 7は、最大速度が46Gbpsとなり、帯域幅も最大320Mhzまで利用することができます。これにより、重いデータの送受信がスムーズになり、ストリーミングやオンラインゲームも快適に楽しむことができます。
帯域幅は道路の車線数に例えられ、帯域幅が大きいほど一度に送信できるデータ量が多くなります。その結果、通信速度が速くなります。
バッファロー公式ページより引用https://www.buffalo.jp/topics/knowledge/detail/wifi7.html
Wi-Fi 7では、異なる周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz)を同時に使用できる「マルチリンクオペレーション」が搭載されています。これにより、電波干渉で影響を受けるリスクを抑えることができ、複数のデバイスを同時に利用しても、通信が安定しやすくなります。
Wi-Fi 7は、データのやり取りにかかる時間(遅延)が非常に短くなるため、特にオンライン会議やゲームにおいて、快適な体験を提供します。具体的にはWi-Fi 6/6Eルーターと比較して約4倍の低遅延を実現します。
Wi-Fi 6との違いを下記の表にまとめました。最大速度が大きく向上しており、46Gbpsというのはあくまでも理論値ですが想像ができない速さですよね。
特徴 | Wi-Fi 6/6E | Wi-Fi 7 |
最大速度 | 9.6Gbps | 46Gbps |
周波数帯 | 2.4GHz、5GHz、6GHz | 2.4GHz、5GHz、6GHz |
同時接続の効率 | OFDMA(直交周波数分割多重) | マルチリンクオペレーション |
遅延 | 中程度 | 低遅延 |
Wi-Fi 7の注意点と導入すべき人
Wi-Fi 7の優れた点について紹介してきましたが、注意点もあります。
まずWi-Fi 7の通信を利用するには、スマートフォンなどの使用する端末側もWi-Fi 7に対応している必要があります。しかし現状まだWi-Fi 7に対応した機器が限られており普及しているとは言えない状況です。また、24年11月時点で日本で10Gbpsを超える光回線プランは存在しない為、46Gbpsという速度を体感することはできません。
まだWi-Fi 7を導入するには早いってこと?
46Gbpsはまだ体感できないけれど導入するメリットはあるよ!
特に自宅でメッシュWi-Fiを構築されている方はWi-Fi 7を導入する価値があるといえます。Wi-Fi 7のMLOという機能はメッシュWi-Fiのパフォーマンスを向上させてくれるため、Wi-Fiの接続機器が多い場合などの安定性も向上させることができます。
戸建て住宅の方で1Fにメインのルーターを設置し2F等にもう一台設置しメッシュWi-Fi環境を構築されている方はWi-Fi 7対応ルーターに交換することで効果を体感できることでしょう。
逆にメッシュWi-Fiを使用しておらず、現在Wi-Fi 6/6E対応のルーターを使用されている人は、慌ててWi-Fi 7対応ルーターに変える必要性は低いと考えます。自分の現状の使い方をしっかり確認することが大切ですね。
Wi-Fi 7導入のためのステップとおすすめルーター
ここまで読んでいただいて、「よし!Wi-Fi 7対応のルーターを購入しよう!」と決断された方はぜひ下記事項も併せて確認してください。せっかくWi-Fi 7対応のルーターを購入しても下記要素が最適化されていなければ大きな速度改善は期待できません。
- 光回線の契約内容:
契約している光回線以上の速度は出せないので要注意!1Gbpsのプランなら最大速度は1Gbpsになってしまいます - 宅内LANケーブルの規格:LANケーブルは最低でもカテゴリー6A以上のものを使おう!
- 使用する端末の無線規格:スマートフォンやPCはWi-Fi 7に対応しているか確認しよう!
おすすめのWi-FIルーターは下記記事で紹介しているので参考にしてください。
誰でも分かる!Wi-Fiルーターの選び方まとめ
新たに登場したWi-Fi 7、いかがだったでしょうか。次世代の通信環境に期待が膨らみますが、対応ルーターもまだ少なく環境が完全に整っていない感は否めません。まだ慌てる必要はないというのが筆者の正直な感想です。以下が本日のまとめです。
- Wi-Fi 7の理論最大速度は46Gbpsとなり、Wi-Fi 6と比べ約5倍の速度を実現
- MLO機能により、複数のデバイスを同時に利用しても、通信が安定しやすくなる
- Wi-Fi 7に対応しているスマートフォンやPCが少なく、現在の光回線速度も最大10Gbpsの為、慌ててWi-Fi 7対応ルーターに買い替える必要はない
- ただし、メッシュWi-Fiを利用していて、速度や安定性に不満がある人はWi-Fi 7対応ルーターに変えることで
改善が見込める為、検討の余地あり
少しでも皆様の参考になれば幸いです。それでまた次の記事でお会いしましょう。